精神療法、特に薬物治療にはいくら慎重になってもなり過ぎることはありません。
当クリニックでは、暫定の診断をもとにつらい症状を緩和するお薬を使いながら、じっくりと正確な診断を行うことを心がけています。
本人には、投薬による治療をご希望されるかをおうかがいし、お薬の処方をご希望される場合には、薬の作用や副作用をわかりやすく説明して、症状に合った適切な薬を選択し服用していただいています。
薬の反応性は、体質によって症状の現れ方など、個人差があります。
また、自宅静養中なのか、お仕事をされているのかという状況によっても治療方法はさまざまです。
当クリニックでは、おひとりおひとりの症状や状況に応じて薬剤を随時調整していくことが大切だと考えています。
治療中にみられる症状の変化や副作用の有無、本人の状態の経過を確認しながら本人とお話させていただき、より有効で安全なお薬の処方を行いたいと考えています。
実を言いますと、現在は「うつ病」と過剰に診断されているのではと感じることがとても多いのです。
不安障害をうつ病と診断されてお薬を処方され、それによって症状を重くしてしまうケースもあります。
うつ病のお薬は現在、切れ味がよくなっている分、副作用にはとても注意が必要です。
副作用とうつ病の症状が似ているため、見極めをしっかりしないで安易にお薬を増量するケースがありますが、それは絶対にやってはいけないこと。
当クリニックでお出しするのは、通常の半分~2/3くらいのお薬の量ではないかと思います。
必要なお薬を本当に必要な分だけ使うことこそが、うつ病の治療では特に大切なのです。
また、ずっとお薬を飲みましょうというのはやめ、「終結」終わりを目指す治療を行っています。
投薬は必要な分だけ、不必要なお薬は出さないという減薬です。
ただし、本人がご自分の判断でお薬を勝手に減らしてしまったり、やめてしまわれたりするのは悪化の原因になります。
お薬を飲むことに対してご不安がある場合には、どうぞご相談ください。